広がるテストの応用範囲と歴史
2000年以降ドアファンテストは急速な技術的進歩を遂げ、それに伴い気密性能を求めるスタンダード・環境評価制度・省エネプログラムが増えています。
世界における大きなトレンドの一つが、大型建築物のテストです。住宅に比べ隙間の多い商業用建築物の気密性能を向上させることが求められています。
参考サイト1(ポーランド アマゾンロジスティックセンター) 参考サイト2(フランス 40階建高層オフィスビル)
今年2018年、日本で最初の環境評価制度のためのテストが行われました。某マンション(LEED ETS)と研究実証棟(WELL)です。
【気密テストの歴史】
1970年代に欧州で、筒形ファン(住宅用)が開発される
1980年代に英国で、ドアファン(住宅用)が開発される
1990年代に英国で、BREFAN(商業建物用)が開発される
米国ローレンスバークレイ国立研究所などにおいて、基礎理論が確立
北米において、省エネ改良のための補助金が創設され、既設住宅のためのドアファンテストが急速に普及
21世紀に入ってから、RETROTEC社などによりハードが急速に改良される
ハードの改良とともに、新たなテスト手法が確立、複数のスタンダードがドアファンテストを採用
【RTROTEC社の改良】
3000ファンの開発 ⇒ DM32を使ったオートマティックテストと連動が可能になった
DM32マノメータ(差圧計)の開発 ⇒ 大量データ処理を行うオートマティックテストが可能になった
複数の3000ファンの同時使用 ⇒ 大規模空間の測定が可能になった(ギネス記録は46台同時使用)
大規模建築物のためのテスト手法が確立 ⇒ 自然風のキャンセルが可能になった(USACE Protocol)
【写真で見る変遷】
欧州型住宅用ファン (コーナー札幌社様製 気密測定器)
初期の英国製ドアファンとアナログマノメータ
英国製商業建築向大型ファン(BREFAN)
RETROTECのDUC300ファン(左)と3000ファン(右)
3000ファンの15台同時使用(6台でBREFAN1台に相当)
DM32デジタルマノメータ
正確なテストは新たなテスト技術を可能にしました