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フィルトリングシステムのためのドアファンテスト2

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  • 某オフサイトセンターでドアファンテストを行った
 陽圧に関してはオフサイトセンターのためのドアファンテストをご覧ください

オフサイトセンターで実際に行ったドアファンテストについて


はじめに

bottle-house
全く隙間のない建物があったとします。それは上の図のように牛乳瓶のような家です。もしこのような建物があったとしたら、ドアファンテスト(気密測定)は必要がありません。隙間は<0(ゼロ)>だからです
入口にファンを取付、中に空気を送り込もうとしていくらファンを回しても、空気は入っていきません。瓶の口を咥えて、息を吹き込もうとしてもうまくいかないのと同じです。
bottle1
実際の建物の場合は隙間がないことはありえません。立派な建物でも、風が吹けば隙間風はどんどん入ってきます。ただ隙間は分散されているので、それと実感されないだけです。隙間からの流入量をドアファン一か所に集中させることで、実際の流量を実感できます。
ドアファンテストの立会者がいつも最も驚くことのですが、この場合、入ってくるのが汚染空気と考えると、恐ろしいものがあります。

2013DF06


2012年12月のオフサイトセンター測定概要

・測定に先立ち明らかに大きな隙間があり、改修が予定される鉄扉等をシールした
・ドアファンを設置し、建物内に75Paの内圧をかけた。75Paは11m/sの自然風に等しい。(注#1)
・ドアファンから入ってくる空気=隙間から洩れでる空気
2013DF01

すべての隙間から洩れる空気量の合計=7459m2/h

 ドアファンテストをした
オフサイトセンターの概要
構造:鉄骨鉄筋コンクリート
床面積:2,050m2
隙間面積:3,043cm2(鉄扉等シール後)
11m/Sの風が吹いた時の流入空気量:7,459m3/h
wind 風速11m/sの自然風は 75Paのバイアス圧を生じさせる

自然風とバイアス圧との関係
wind2
ρ/2は海抜0mの地点で 0.62kg/m3
注#1:75Paはアメリカの気密試験規格:USACE で定められた基準圧力。これは自然風11m/秒が建物に及ぼす圧力に等しい。今回プロジェクトで想定する自然風は、OFC周辺のアメダスデータから13.3m/秒(=110Pa)に設定。(後述)自然風が11m/秒であっても汚染空気が建物内に浸入しないようにするためには、外気を浄化(フィルトリング)した空気を中に押し込み、11m/Sに匹敵する内圧+75Paにする。その時、内外ともに、圧力がバランスし、外気は浸入しない。風が弱ければ、内部は陽圧になり、内部の空気は外へ漏れだしている
風がもっと強い時に外気の浸入を防ごうとすれば、もっと内圧を高める必要がある。

陽圧にしないとどうなるのか

11m/秒の風の場合
隙間面積:3049cm2
風上の隙間から入った汚染外気は建物内を通り、風下の隙間へ抜ける。その最大量、7459m3/h
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風が強くなるとどうなるのか

13.3m/秒の風の場合
隙間面積:3049cm2
風上の隙間から入った汚染外気は建物内を通り、風下の隙間へ抜ける。その最大量、10293m3/h

風速が11m/Sから13.3m/Sに2割上昇すると、外気浸入量は38%も増す。

2013DF03

風が強くても建物の気密性を高めると

13.3m/秒の風の場合
隙間面積:1525cm2(半分にする)
風上の隙間から入った汚染外気は建物内を通り、風下の隙間へ抜ける。その最大量、5197m3/h

隙間面積が半分になると、汚染空気の浸入量も半分になる

 2013DF04
フィルトリングされた清浄空気の流量を増やすことによって内圧を高めれば、強風下でも汚染物質の浸入を防ぐことができる。
しかし、大きなフィルトリングシステムが必要となること、、冷暖房効率が極端に落ちることの主に二つの理由から、出来る限り、隙間を減らすことが重要である。ドアファンテストで隙間個所を発見して数値化し、建物の気密度を必要なだけ向上させた上で、充分な清浄空気量を供給する陽圧フィルトリングシステムを導入することによって、緊急事態環境下で安全な防護空間を確保するようにする。

ドアファンテストから見たオフサイトセンターの改造目標

13.3m/秒の風に7200m3/hの清浄空気流量でバランスするようにする
隙間面積:2132cm2以下にする
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ドアファンテストのもう一つの効用

・一定条件下での漏気量の体験
・隙間面積の正確な算定
などのほかに、ドアファンテストにはもう一つ3つ目の大きな効用があります
それは隙間個所の特定ですportersmoke IR_0107 check2

内部からはスモークパッファで隙間箇所の特定、劇場用のスモークマシン、或いはサーモグラフィを使うと外部から、漏気箇所の特定が可能です
隙間箇所さえ判明すれば、問題解決は目の前です

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